前の実験に使った TeX ソースでは,ソースが HDD にある場合と RAMDisk にある場合とで特に実行時間の差は見られなかった.そのため,前回の実験はソースを HDD において実行時間を計っていた.でも,ひょっとしたらソースが小さかったから差がなかったのかもしれない.ということで,もう少し大きなソースを持ってきて,pTeX のインストール先とソースの保存先とを変えつつ再実験してみた.
使った pTeX は角藤版の 2007/11/12 時点での最新バイナリ.余計なパッケージはインストールせず,ほぼ標準インストールの構成.
コンパイル対象のソースにはとある博士論文を使用.ソースは15分割くらいで,eps系の画像を55個くらいとリファレンスを250個くらい含む.コンパイル時間の計測は,metapost 9回,platex,jbibtex,platex,platex というコマンド列を全部実行した時間を計測.参考までに,TeX ソースの合計サイズが 700KB くらいで,metapost ソースの合計サイズが 160KB くらい.コンパイル時に生成されるファイル総数は75個で,内 68個が metapostの生成するファイルである.
まず,メインマシンでの結果は次のとおり(Core 2 Duo 2.4GHz, 4GB dualchannel memory (PC-6400), SATA 7200rpm HDD,Vista Business 32bit.pTeX と TeX ソースは別々のHDDにある).
pTeX | TeX ソース | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|---|---|
RAM | RAM | 11.801s | 11.642s | 11.754s |
HDD | 11.947s | 11.934s | 11.893s | |
HDD | RAM | 12.413s | 12.624s | 12.383s |
HDD | 12.329s | 12.313s | 12.323s |
pTeX を RAMディスク上においた場合,ソースも RAMDsik に置いたほうが 0.1 ~ 0.2 秒程度速いかもしれない.逆に,pTeX を HDD に置いたときには RAMDisk にソース置いたほうがほんの僅かに遅くなるのかもしれない.でも,いずれの場合も意識するほど意味のある差とはいえないでしょう.
続いてW7Bでの実験結果は次のとおり(Core 2 Duo 1.06GHz, 2GB dualchannel memory (PC-4200), SATA 5400rpm HDD,Vista Business 32bit.pTeX と TeX ソースは同じHDDにある).
pTeX | TeX ソース | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|---|---|
RAM | RAM | 26.255s | 25.724s | 26.349s |
RAM | HDD | 27.300s | 26.161s | 26.379s |
HDD | RAM | 27.924s | 27.191s | 27.425s |
HDD | HDD | 27.331s | 27.285s | 27.315s |
こちらも傾向としては同じ.意識するほど意味のある差は見られない.残念.
結論:TeXソースをどこに置くかはどうでもいいんじゃないかと.
環境が変わるとどうなるかわからないけど,少なくとも自分の環境では RAMDisk においても HDD においてもコンパイル時間は変わらない.ただ,RAMDisk のほうが情報をロストする可能性が高いので,安全を考えると HDD に置いといたほうが良さげではある.
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