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多次元のランダムウォークの不思議

  • 2018-07-02 (Mon) 23:14
  • 一般

各次元の単純なランダムウォーク(d次元で2d方向を一様ランダムで選択)で,どの程度の回数原点に戻ってこれるか? 知られている結論としては,1次元と 2次元は無限にたくさんの回数原点に戻ってこれるけど,3次元以上だと無限回戻ってくるのは難しい(原点に戻ってくる回数の期待値が有限).

で,なんで3次元になると戻ってこれなくなるのだろうかというのが今日の疑問.直感的に何が原因でそうなってるんだろうかというのが気になる.

ということで調べてみた.単純には 2n 歩目でちょど原点に戻ってこれる確率を考えてあげて,それをすべて足し合わせてあげれば原点に帰ってくる回数の期待値が手に入る.2n 歩目でちょうど原点に帰ってくるには,各次元の方向について±の移動が一致して(半分が+移動,もう半分が-移動で)なければならないので,その確率を見積もったときの主要なファクターは n! / ((n/d)!)^d というので押さえられる.あとはスターリング近似を使えばこれが 1/(n^{d/2}) になる.よって,d > 2 だとこの和が収束してしまうので,つまりは無限に帰ってくることは期待できない.

出てきた数式を眺めて直感的に思うこととしては,ある次元で原点に戻ってこれたと思ったら他の次元で盛大にずれちゃって邪魔してる可能性が高いみたいな事かと.この邪魔者な次元が居ない(1次元)か邪魔者と1対1なところ(2次元)までは頑張って何度でも戻ってこれるが,邪魔者が複数(3次元以上)になると収集がつかずに戻ってこれなくなると.

まあ,なんとなく納得した気分.邪魔が多いといけない.

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