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超一様分布列(準乱数)と準モンテカルロ法を少し勉強した

  • 2024-01-10 (Wed) 19:41
  • 一般

「疑似乱数でのモテカルロ法より超一様分布列を使う準モンテカルロ法のほうが積分誤差の収束が速い」ってのがどういうものなのだろうかと気になったのでぐぐったら「準モンテカルロ法の最前線」とかいうサーベイ論文が出てきたので読んでみた.JSIAM の 2021年度論文賞(サーベイ部門)を取ってるっぽい論文で,とても読みやすかった(3.2節までしか読んでないけど).

んで.とりあえず discrepancy という「非一様度」的なもの(N 点集合 Pに対する,単位超立方体の部分 A へ落ちる P 点の割合と A の体積の差の sup)を考えて,そいつが O(N^{-1+ε}) 程度で落ちるような P が超一様分布列であると.そして,その A として原点を含んだ超直方体を考えたときの discrepancy が star-discrepancy で,準モンテカルロの積分誤差は被積分関数の全変動と点列の star-discrepancy の積で押さえられるという Koksma-Hlawka の不等式があると.なので,準モンテカルロの積分誤差は O(N^{-1+ε}) 程度で落ちる.ここらが古典的な準モンテカルロの理論らしい.

古典的なののあとは,関数空間を考えてその空間に対する積分の最悪誤差(全関数に対する sup の,積分則での inf)を考えて,そいつの収束オーダーを考えるという感じっぽい.再生核ヒルベルト空間だと最悪誤差が具体的に求まるのだとか.ここらの記述は久々に見たけれど,まあそういう議論をするよねという感じ.

ということで,なんとなく準モンテカルロ法がどういう性質を考えたものなのかを知れた気分.

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